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交通事故による後遺障害(関節機能障害について)

交通事故による後遺障害(関節機能障害について)

交通事故による後遺障害の中で、関節機能障害に基づく後遺障害は、よく問題になりますが、認定基準の細かい点については、あまり知られていない部分もあると思われます。

そこで、関節機能障害の認定基準の内容について、検討したい思います。

交通事故による関節機能障害(関節可動域の比較方法)

関節の機能障害の認定に際しては、障害を残す関節の可動域を測定し、原則として、健側の可動域角度と比較することにより、関節可動域の制限の程度を評価します。

 ただし、脊柱のように1本しかないものや、健側となるべき関節にも障害を残す場合等にあっては、所定の参考可動域角度との比較により、関節可動域の制限の程度を評価することになります。

交通事故による関節機能障害(主要運動と参考運動)

各関節の運動は単一の場合と複数ある場合があり、複数ある場合には、各運動毎の重要性に差異があることから、その運動を主要運動、参考運動、その他の運動に区別して障害の評価を行うこととなります。

主要運動と参考運動の区別は以下のとおりです。

部位主要運動参考可動域角度参考運動
せき柱(頚部)屈曲(前屈)、伸展(後屈)回旋(左及び右) 側屈(左及び右)
せき柱(胸腰部)屈曲(前屈)、伸展(後屈) 回旋及び側屈(左及び右)
肩関節屈曲(前方挙上)外転(側方挙上)及び内転 伸展(後方挙上)、外旋及び内旋
ひじ関節屈曲、伸展  
手関節屈曲(掌屈)伸展(背屈)屈曲(腕と手のひらを水平に伸ばした状態から、下方向に手首を曲げる)90度伸展(同じ状態から、上方向に手首を反らす)70度ぎょう屈(内側向き)、尺屈(外側向き)
前腕回外、回内  
股関節屈曲、伸展、外転、内転 外旋、内旋
ひざ関節屈曲、伸展  
足関節屈曲、伸展屈曲(かかと直角にした状態から外側へ曲げる)45度伸展(かかとを直角にした状態から、内側【身体側】に曲げる)20度 
母指屈曲、伸展、ぎょう側外転、掌側外転  
手指及び足指屈曲、伸展屈曲(MCP)(手のひらと指をまっすぐにした状態から、指の付け根の関節を下方向に曲げる)90度伸展(MCP)(上と同じ状態から、上方向に指を反らす)45度 

これらの運動のうち、屈曲と伸展のように同一面にある運動については、両者の可動域角度を合計した値をもって関節可動域の制限の程度を評価します。ただし、肩関節の屈曲と伸展は、屈曲が主要運動で、伸展が参考運動のためそれぞれ独立して可動域制限を評価します。

関節の機能障害は、原則として、上記のうち、主要運動の可動域角度の制限の程度の程度によって評価します

交通事故による関節機能障害

「関節の著しい機能障害」

 上肢及び下肢の3大関節については、主要運動の可動域が、1/2以下に制限されているときは、「関節の著しい機能障害と認定されます。

「関節の著しい障害」

上肢及び下肢の3大関節については、主要運動の可動域が、3/4以下に制限されているときは、「関節の機能障害と認定されます。

交通事故による関節機能障害(関節可動域の測定)

関節可動域の測定値については、原則として、他動運動による測定値によります。

ただし、例えば、末梢神経損傷を原因として、関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となり、他動では関節が可動するが、自動では可動できない場合、関節を可動させるとがまんできない程度の痛みが生じるため、自動では可動できないと医学的に判断されるような場合等、他動運動による測定値を採用することが適切でないものについては、自動運動による測定値を参考にして、障害の認定を行うこととなります。

交通事故による関節機能障害(可動域制限の原因について)

関節可動域の角度の制限は以下のように大別できます

器質的変化によるもの・・・関節それ自体の破壊や強直によるもの。関節外の軟部組織の変化によるもの(例えば、阻血性拘縮)

機能的変化によるもの・・・神経麻痺、疼痛、緊張によるもの等

自賠責による可動域制限の障害認定においては、単に、所定の稼働域の制限が認められるだけでなく、その制限について、他覚的、客観的所見に乏しい場合には、後遺障害等級に該当するとは認定されないようです。

一般的に骨折箇所に可動域制限が残った場合には、等級認定はなされやすという印象がありますが、骨折等の直接の外傷がない箇所に可動域制限が残った場合には、その制限について、事故による外傷との相当因果関係が認められないと、障害等級認定に至らない可能性が高くなります。