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交通事故による慰謝料が増額される場合について

交通事故による慰謝料が増額される場合について

ここでは、どのような事情があったときに、裁判上の一般的な慰謝料基準に対し、増額がされることがあるのかについて、ご説明いたします。

まず、交通事故により負った傷害の程度が、重い場合に、このような増額が認められる場合があることは、当然と思われます。

この点については、傷害の部位や程度によっては、裁判上の一般的な慰謝料基準に対し、20%~30%程度増額することとされています。

さらに、生命が危ぶまれる状態が継続したとき、麻酔なしでの手術等極度の苦痛を被ったとき、手術を繰り返したときなどは、入通院期間の長短にかかわらず、別途増額を考慮するとされています。

交通事故の態様や、加害者側の対応等の理由による慰謝料の増額

上記のように、交通事故により、被害者が負った傷害の内容や程度、これに関する治療以外の理由により、慰謝料の増額が認められる場合として、加害者が、飲酒運転をして、被害者運転の車両に追突したとか、事故後の加害者側の対応のまずさにより、被害者側の精神的苦痛が増大したと認められるような場合にも、慰謝料の増額が認められる場合があります。

具体的には、飲酒運転、酒気帯び運転、救護義務違反、報告義務違反(ひき逃げ)、速度超過、信号無視、居眠り、無免許、わき見運転等の事案について、慰謝料増額の理由となるとされています。特に、飲酒運転や酒気帯び運転により、事故を起こされたような場合には、慰謝料が増額される場合が多いと考えられます。

これ以外ですが、加害者側が、事故態様について、自分に不利となる証拠の隠滅をはかった場合や、事故後に謝罪をしない、責任を否定し、虚偽の供述をする等した場合に、慰謝料の増額事由として裁判事例があるようですが、単に、事故態様の主張が異なることによって、慰謝料が増額されることは、それほど多くはなく、明らかに、加害者側が不合理な主張をしているような場合に、慰謝料の増額が認められるものと考えられます。

もっとも、増額幅については、5割以上の増額をされるケースはまれで、極めて悪質性の高いような場合に、このような増額がなされているようです。3割程度の増額事案であっても、相当な悪質性の高い事案と考えられます。

もっとも、具体的な事例において、裁判所が、例えば酒気帯び運転について、通常の慰謝料の相場に対し、どの程度の増額をしているか、必ずしも明確でない場合もあります。

 高松地裁H23.6.1判決
事案の概要加害者は、呼気1リットルあたり0.3ミリリットルの酒気を帯びた状態で、被害者運転の車両に追突。
被害者の傷害の程度、通院状況通院期間は、平成19年1月11日から平成20年9月3日(1年8か月、実日数重複分3日分を控除すると101日)
被害者の傷害慰謝料に関する主張300万円の請求。1年8か月の通院を余儀なくされ、加害者は酒気帯運転で、時速40キロメートルのままブレーキを掛けることなく、追突した。加害者は、飲酒検知の際に指印を拒否したため、被害者が代わって指印した。事故後の謝罪や見舞いもなし
加害者側の傷害慰謝料に対する反論通院期間は、1年8か月であるが、通院実日数は、101日程度で、120万円(13か月程度の通院に対応する慰謝料程度)を上回ることはない
裁判所の認定150万円。被害者の傷害の内容程度、仕事に及ぼした影響。加害者が酒気帯びであった事情を総合考慮。

上記の事例では、裁判所は、被害者の頚部の神経症状については、他覚的所見がないものと判断しており、基本は、別表Ⅱを使用したものと考えられます。仮に、通院期間20か月を前提に別表Ⅱを使用すると、127万円が、一般的な基準による慰謝料額になり、さらに、23万円を加算したのが、主に酒気帯運転によるものとすると18パーセント程度の慰謝料の加算をしたことになります(仮に、加害者側の主張する120万円を前提とすると25パーセントの増額したとも解釈できる余地があります)。